仕事だけじゃない、遊びだけじゃない。エンジニアとして人として人生を楽しみながら仲間と一緒に夢を実現する企業“モビテック”

 «   |   »

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~

皆さんこんにちは。
評価Gの田井中です。

今回は弊社で開発中の世界最速の電動バイク“EV-01Z(2017年仕様)”と先日実施致しました、中間テストの様子を紹介したいと思います。

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~8

前回Vol.39にて、『車両の安定性の低さ』と『車両のコントロール性の悪さ』が現状の課題であり、対策として『軽量化』と『重量バランスの変更』を行っていくと紹介させて頂きましたので、今回は具体的な対策の中身をお伝え致します。

先ずは『軽量化』です。
昨年までの仕様ではとにかく記録を出す為にたくさんのバッテリを車両規格ギリギリの範囲で積んでいました。その為、バッテリだけでも約130kg有り、車両重量全体の約4割を占めておりました。昨年までの仕様ではセルを大小の2つのバッテリBoxに分け、3並列で使用しておりましたが、今回は小バッテリBoxを廃止し、2並列に変更/直列数を若干増やす事でバッテリ容量は若干減少したものの、約40kgの軽量化が出来ました。

次に行ったのが『重量バランスの変更』です。
これまでの仕様では上記のバッテリ搭載と後輪のトラクションを稼ぐ為、車両の前後重量比は40:60にしておりました。
しかし、昨年末実施した評価結果から後輪を起点に揺れが発生している可能性があり、ウィーブ現象のメカニズムから、後輪荷重に対し、タイヤの剛性が負けている可能性が有る事が分りました。その為、バッテリの軽量化と合わせ、後輪軸上の左右に配置されていたモータを取り外した小バッテリBoxの場所に左右合体して配置するレイアウトに変更致しました。

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~1

これにより、車両の前後バランスが50:50に近づき、後輪への負担が減り、ウィーブ現象が出にくくなる予想です。
また、昨年、ボンネビルでのスタート際、転倒要因となった、
『後輪の慣性が重すぎて車両をコントロールできない』という問題も同時に解決でき、一石二鳥です。

今回の仕様変更で苦労したのがチェーンラインの確保です。
元々チェーン駆動を想定してフレームを作った訳ではなかったので、現状のフレームを流用し、チェーンを通す為に、モータマウントやスイングアームの形状を試行錯誤して作りました。特にモータマウントの検討の際には、現状のフレームを3Dスキャナで計測し、実物のフレームに合う形状にしました。また、モータ位置変更に伴いフレームに掛る荷重も変わってくるので、強度解析を再度実施し、モータマウント、スイングアームの最適化を実施致しました。

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~2

更に2017年仕様では、コントロール性の向上を目的に、『クラッチ』と『トラクションコントロール』も追加しました。
本来、電動バイクはエンストしないので、クラッチは必要ないのですが、モータの特性で0rpm時に最大トルクが発生する為、ボンネビルの様な滑りやすい路面では発進時のスロットルワークがとても難しいのです。その為、クラッチ機構を追加して普通のバイクと同じ乗り味になる様にしました。また、車両制御としてもトラクションコントロールを追加する事により、後輪の空転を検知してトルクを抑える様にしました。

そして、4月21日、22日にいつもお借りしている(一財)日本自動車研究所様のテストコースで実走評価を行ってきました。
今回の目的は、バッテリ軽量化の効果確認とクラッチ・トラクションコントロールの動作確認です。

評価初日は、総合試験路(直線1.6km)を使い、横揺れへの影響確認です。
結果はコントロール性はかなり良くなっているが、横揺れは未だ発生しており、軽量化だけでは不十分な様です。ただし、角速度(ロール、ヨー)と操舵角の振幅は前回に比べ2割程度下がっており一定の効果はありそうです。

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~4 EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~5

2日目は悪路試験場を使い、クラッチとトラクションコントロールの動作確認を行いました。
結果、クラッチは「使いやすい」とライダーの水谷氏からコメントを頂きました。しかし、トラクションコントロールは動いているものの、設計通りの動きをしてないので、要改良です。

EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~6 EVバイクプロジェクト~vol.40 2017仕様 ” EV-01Z “~7

5月末にはモータ位置変更を盛込んだ2017仕様(EV-01Z)にて実走評価を実施予定です。未だ課題はあるものの、良い方向には向かっていると思ってますので、次の評価に期待です。
次回は5月の評価結果をお伝えしたいと思います。

<お知らせ>
Vol.26,27で紹介致しました流体解析の結果が川重テクノロジー(株)様のホームページ及びカタログに掲載されました。
http://www.kawaju.co.jp/rd/cae/performance/aerodynamics.html
http://www.kawaju.co.jp/rd/cae/brochure/cfd-analysis.pdf

 «   |   »

トラックバックURL

コメントは受け付けていません。

↑このページの上部へ